ARABAKI
 荒吐族という東北に縄文時代から住んでいたと言われる民族がいる。日本各地にその民族の名は見受けられ、アイヌ、蝦夷、熊襲、隼人などと同種ともされる。最も有名な人物に、荒吐東族首領・アテルイが挙げられる。彼は征夷大将軍・坂上田村麻呂と戦った勇士として歴史に名を刻んでいる。荒吐族は遮光器土偶を荒吐神とし、信仰していた。また『人の上に人なく、人の下に人なし』とする万民平等を基本理念としていた。大和朝廷による討伐という敗北の歴史こそあるが、秘められた凛々しい民族というイメージに惹かれるものがある。

 そんな歴史を深く掘り下げて、このロックフェスに意味づけする必要性は全くもってなく、それをするつもりもない。ただ単に、『祭』だということ。地位や権力や政治や、誰かの都合もいらない、カッコイイ『祭』を創りたい。荒吐族が生きたスタイルが、ロックだ、という我々の勝手な解釈と共に。
2002.05.01
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